ガラケーユーザーがメル友やるのは技術的に難しいと思うが、それを逆利用してデートに持ち込むこともできる。
ガラケーしか持っていない俺は今回、とてもいい思いをした。
出会い系でメル友を見つけたのは二週間前のこと。友達が出会い系でメル友をセフレにしたという話を聞いて、俺もぜひやってみたいと思ったのだ。
「深い仲になるまで時間がかかるが、辛抱づよくメールに付き合うことが大事」
これが友人からのアドバイス。
「どのくらいかかった?」
「俺の場合はメール交換初めてから二ヶ月半」
「あと二ヶ月半も禁欲か」
「セックスは寝て待てってことだ」
友人からはメールによる距離感の縮めかたを教わった。なるべく長文は避け、親しみやすい文章にする。語りかけるように書く。こちらの人間的魅力を簡潔に伝え、さりげなく相手を褒める。一日に最低二回はメールの交換を行う。それを日課にする。こちらへの関心の高さを測るため、たまにすっぽかすことも必要だという。
「昨日の夜メールくれなかったから心配してた。体調でも悪いのかなと思って」
こんなメールが来たらしめたものだという。メールで女性をコントロールできるレベルになっている証らしい。
「貴方のメール読んだら安心して眠れるんだよね」
こんなメールが来たらデートに持ち込める可能性がぐっと高まるようだ。友人のアドバイスを参考にしていざ出会い系へ。
お隣の諫早市に住む女子大生と出会い、メル友になる。最初のうちはサイトのメール機能を使っていたけど、これからは無料のLINEで会話したいと彼女が言う。
「LINE? 何それ」
「もしかしてガラケーなの?」
「ガラケーだよ。もう七年も使ってる」
「珍しい人ね。じゃあEメールでいいか・・・でもお金かかるよね。まいったなあ」
「どうしよう」
「連絡手段ないじゃん」
これで終わりかと思った。メル友やるなら無料のLINE機能があるスマホでないと無理なのだ。インフラ面から整備し直さなければならない。
「面倒だから会わない?」
「え? 会うって俺と?」
「メル友やっていい人だったら会ってみようかなって思ってたけど、連絡手段がないなら仕方ないね。会っちゃおう・・・いい?」
「もちろん大歓迎」
出会って三日でデートに持ち込んだ。ガラケーユーザーでよかったと心から思ったよ。
もちろんあらかじめ写メを交換していたし、彼女も俺に対してまんざらではなかったのだろうけど。
それから四日後、晴れてセックス。友人が二ヶ月半かかった仕事を七日でやり遂げた。
今では女子大生のむっちりした体をいただく日々だ。
俺は一生ガラケーユーザーであり続ける。