中高年男性に質問する。
若い女性とセックスしてみたいと思わない?
たぶん多くの男性が「思う」と答えるだろう。思わない男は男じゃない。そう思うからエッチな体験談を読んでいるのだろうし。
じゃあ実際に若い女性としたことある? たぶん多くの男性が「したことない」と答えるだろう。若い女性とセックスしたいがそう望んでいるだけで機会がないのが現実。若い女性とのセックスなんて夢のまた夢か?
でもその願望、決して夢物語じゃない。五十二歳の俺が十五年以上年の差がある独身アラフォー女性をセフレにしているのだから。
妻に飽きて出会い系に登録したのは半年前。既婚だし五十歳過ぎているし相手を見つけるのは無理だろうなと思っていた矢先、彼女から連絡が来たんだ。
「素敵なおじさまですね。私はおじさまのようなタイプが好き」
アラフォー世代になるとおじさま系に興味を持つのだろうか。既婚であっても問題ないらしく、思わずガッツポーズしたよ。俺の住まいは水戸だけど彼女はさいたま市。妻には急な出張と偽ってすっ飛んで行った。
「僕と恋愛してくれるの?」
気持ちは少年のように初になっていた。すると彼女がぷっと笑う。
「正直に言ってください。顔に書いてありますよ。私をセフレにしたいんでしょう? 奥様裏切って出会い系に遊びにきたくせに、恋愛なんて殊勝なこと言わないで」
セフレか。この言葉を使ってみたかった。「この歳だけど俺にはセフレがいるんだよな」と同僚の前で口走ってみたい。ぞくぞくしてくる。
週に一度、彼女に会いにさいたま市に行っている。週末になると休日返上で出張にでかける俺を妻はとくに疑わないが、念のため平日にも出かけることにしている。妻に内緒の有給休暇。
若い女性とのセックスは気持ちがいいし、まるで夢の中にいるようで、こんな人生もあるんだなと有頂天になる。彼女は割り切ってくれているし、おじさま目当ての女性にありがちなお小遣い要求もしないし、身体の関係で心まで許していないから不倫じゃないとも言ってくれる。「心まで許していない」が少し寂しいし、やっぱり恋愛関係になりたいとも思うけど贅沢は言えない。五十二歳でこんないい思いができるのだから。
全国の中高年男性に言いたい。
人生は一度しかないし、人間はどんどん衰えていく。若い女とセックスしたいと思っているうちが花だ。花が枯れてしまわないうちに出会い系の扉を開けよう。
きっと素敵な蝶が飛んでくる。